映画【ロンリーハート】80年前の出会い系&ヤンデレ殺人事件(ネタバレ感想)

投稿者: | 2020年6月25日

ロンリーハート


IMDbより

公開年:2006年
制作国:アメリカ
原題:Lonely Hearts
監督:トッド・ロビンソン
製作:ホリー・ウィーアズマ、ボアズ・デビッドソン
脚本:トッド・ロビンソン
出演:ジョン・トラボルタ、ジェームズ・ガンドルフィーニ
ジャレッド・レト、サルマ・ハエック、他
レイティング:R15+

STORY
新聞の恋人募集欄で見つけた女性をターゲットに結婚詐欺を繰り返すレイと恋人のマーサ。
やがてマーサは、レイが誘惑した女性に対する異常なほどの嫉妬心から殺人を犯しはじめる。
一方、女性が自殺したと思われる現場に駆けつけたロビンソン刑事は、
そこに犯罪の匂いを感じ捜査を開始する。

(映画.comより)

「LONELY HEARTS」のフォントの感じとか、全体的な雰囲気とか、
なんかやたらに90年代映画っぽい雰囲気のポスターですが、実際には2006年の作品で、
1940年代に実際に起きた事件を映像化させた作品でした!

結末含めてネタバレしています!

僅差で追いかけサスペンス

そういえば「出会い系サイト」とずっと呼ばれていたそういう類のものは、
最近ではもはや「マッチングアプリ」という言い方に変わりましたよね。
詳しくないんだが、つまりサイトじゃなくなった事は
パソコンで出会いはもう見つからないのか?みんなスマホなのか!?畜生!

とか思いつつ、本作ではそんな出会い系サイトやマッチングアプリなどない時代、
1940年代にあった出会い系新聞で未亡人やお金を持ってそうな中年の女性を狙い、
結婚詐欺を働くレイ(ジャレッド・レト)という男と、
パートナーのマーサ(サルマ・ハエック)の巻き起こす恐ろしい事件の話です。

この当時は新聞から始まり文通から深まる出会い系だったんですね。
なんか、色々な時代の出会い系に思いを馳せてしまいました……!!

ジョニー・デップ感の強い美青年のレイ。
だが実はカツラで、オフの時は禿げ散らかしている。

IMDbより

実際のマーサと比べて、演じたサルマさんがあまりに美しすぎて
再現度が極端に低いと言われてしまったりした映画版のマーサ。

IMDbより

それを追う刑事たちの中でメインになるのが
ロビンソン刑事(ジョン・トラボルタ)。


IMDbより

展開としては、死体が出てくる→刑事が探る
→一連の事件の犯人であるレイ、マーサが事件をまた起こす
→証拠がちょっと出る→その間にレイ、マーサ逃げる……
の繰り返しで、警察はかなり彼らに迫っているのにちょっと間に合わない!
という僅差での追っかけっこを楽しむ構成です。

冒頭は映画でたまにあるラストシーンを流す形式で、つまりレイとマーサの処刑の直前。
そこから過去にグッと戻りそこからかなり時間軸が入り乱れまくるのですが、
刑事側のシーンは前後関係が時々分からなくなりますが
レイとマーサは時系列正しく展開されるのでそんなに混乱なしないかと思います。

個人的に残念なのは、レイとマーサの話は恐らくほとんど実話に沿ってるし
どうして2人が狂っていってしまったのかしっかりフォーカスしてますが、
ロビンソン刑事のチャプターになると、事件を追うだけでなくて、
かつて妻を亡くしたロビンソン刑事と年頃の息子との微妙な距離感や、
同僚の女性との遠慮がちな恋愛模様のシーンも結構多いんですよね。
そこそこ年齢を重ねた同僚同士の付かず離れず感とかが
ちょっと事件のスピード感を緩めてしまう展開になっちゃったかなと思ったり。
まあでも刑事が無個性すぎても応援出来ないからそれもありか。

ヤンデレ彼女

出会い系新聞から結婚詐欺を繰り返すレイ。
マーサも元々はレイのターゲットだったのだが、
レイのピンチを救ってくれた事でなんだかウマが合い、
その後もいざ警察に捕まりそうになるとマーサが性的なサービスで切り抜けるなど
レイとしても非常にありがたい存在になっていきます。

よっしゃ2人で結婚詐欺を続けて金儲けしようぜ!!となっていたのですが、
マーサがガチでレイを愛するあまり、レイの結婚詐欺のための
相手の女性との愛を育む時間が耐え切れなくなっちゃうんですよね。

「あと数日過ごせば女から金を巻き上げられる!!」とレイが力説するのに、
「いやもう無理」と中止しようとするマーサ。主目的を忘れとる。

そして最終的には、嫉妬からか
無実の女性を殺害し始める。

レイと事に及んでいた女性を突然後ろから斧で頭を割るシーンは急展開であり、
マーサがここからどんどんヤンデレ具合を加速させるターニングポイントでしたが、
ここのシーンは本当にインパクトありました。

これまた他の実際にあった事件を映画化しましたモノのあるあるなんですが、
死んだかと思った被害者がまだ生きていて、なかなか死なない、
っていうところが描写としておぞましいですね。
実際に人を殺そうとしてもなかなか死なない、というシーンは
これが実際にあったと考えるだけで映像で観るのも辛いです。
斧で割られた女性をレイがガサツに箱の中に押し込んでいたら
実はまだ生きていた……とか、そこまで再現しなくていいくらいキツイですね。

結局、のんびり?と結婚詐欺で生活をしていたレイにとって
単なる相棒としてではなくヤンデレ要素を強めまくったマーサの存在が
非常に危険な状態へと導いてしまうんですね。
だけどレイもレイでマーサと共依存に近い形になってしまい、
後半部で出会ったシングルマザー(とてもいい人)の事も
マーサに自分自身と天秤にかけられて殺害して以来、
通行人も射殺するわどんどん悪人になっていって、その崩壊ぶり、
非常にしっかりと映像で伝わってきます。

そんな中で警察が徐々に迫る感じ、追いつきそうでなかなか追いつかない、
それが本当に終盤までドキドキさせてくれます。

シングルマザーの娘を自分達の娘にしようとするが
母を殺されたので懐かない少女まで殺害してしまい、
ロビンソン刑事も崩れ落ちる、絶望的な遺体発見シーンが忘れられない…

IMDbより

結局、これもこれで愛だったのかな……

あいつ隠してるっぽいぞ、とロビンソン刑事が1人の若い刑事?を見て
謎に推理が冴え渡り、実際に彼こそが作品の前半部分で
マーサの性テクニックでレイとマーサを見逃した刑事だった事が判明。

事件が終盤までほぼノーヒントで刑事みんな苦しんでいたのに、彼は突然、
「実はそれっぽい犯人見たんすよー!ちなみに男は多分カツラっすね!
だって、一回見かけた時に頭にテープっぽいのがあったから!黙っててさーせん!」
雑なまでにヒントを突然ぶっ込みまくってきたな!!
そしてそれが決め手かは分からないが、ついにレイとマーサの元に警察が到着!!

その後はレイとマーサが電気椅子で処刑されるシーンの後半になりますが、
その際にめちゃくちゃ取り乱しながら死んでいったレイに対して
マーサは終始落ち着いて静かに死を受け入れているんですよね。

その対照的な2人を見ていると、それまでも十分過ぎるくらい分かりましたが
マーサにとってレイは本当に大切な存在だったんだろうな、
2人が犯罪パートナーとしてではなく別の形で関係を作れていたら
もっと違ったのかな、となんだか切なくなった次第です。

ちなみにこれがヅラなし状態で処刑されるレイ

IMDbより

まとめ

実際に起きた事件を犯人目線で映像化させるとよくある
「どんどん軌道修正できなくなっていく」という状態、
それがレイの焦りと、マーサの「別にレイといられるならいい」
と真逆の思考のまま堕ちていく、そんな話でした。

先に書いたようにレイ、マーサ側、警察側の両者のシーンや
色々な時系列が入り乱れる作品なのですが、あえてそうしているのか、
そこがミステリー要素として良かったのかと思いました。
例えば序盤で、恐らく自殺をしたと思われる女性が発見されるのですが
その置き手紙でレイとマーサの謎に迫り始めて、
そこから2人の出会いの場面まで思い切り時が戻るので
答え合わせのような感じが楽しめました。

だけど、個人的な一番大きく心に残った事としてはやはり、
80年前にもヤンデレ女子はいたんだな、っていう事。
(School Daysに代表される、アニメやギャルゲーにしか出ない存在だと思ってた)
そこまで愛されるのも幸せだと思ってしまった方は
是非本作を観て、出口を1つしか与えてくれないマーサの恐怖を
存分に味わって頂きたい……。

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