映画【天使の欲望(2013)】たった40分で後味悪くなりすぎる友情崩壊劇(ネタバレ感想)

投稿者: | 2020年6月7日

天使の欲望


青山シアターより

公開年:2013年
制作国:日本
監督・脚本:磯谷渚
撮影・照明:中瀬慧
キャスト:本間玲音、柳英里紗
中谷仁美、相馬有紀実、他

STORY
痴漢電車と呼ばれる花川線。痴漢にあった沙織は、見知らぬ女子高生に助けられる。
彼女は、沙織が通う山城学園高校の転校生であった。
“親殺し”の噂をもつ不思議な転校生・百合子に誘われて、沙織と仲間たちは花川線で痴漢狩りを始める。
過去の出来事から男性に対する絶対的な不信感に支配される百合子。
一方、クールな眼で世の中を見る沙織には、ある秘密があった。

自らの欲望に直面し暴走する二人の女子高生の衝撃的な出会いと別れ。
最後まで交わることのない線路のように、許し合うことができない二人の欲望が、戦慄の結末に導かれていく。

(映画美学校より)

上映時間わずか40分の映画なんで、ミニシアター的な感じか?
と思ったのですが、濃密すぎてすごかったわ……。
観終わってすぐ寝たら変な夢観ました。だからなんだ!
映像学校制作の怪作でした。40分なのにあらすじ長文でしたね……。
ツッコミ成分多めですみません!

結末含めネタバレしています!

青春の痴漢狩りDays!!

沙織、百合子、女子C、女子Dの4人グループがメインなんですけど、
「ごきげんよう」と挨拶させられたり下校時学校に一礼させられるような
厳格な感じのお嬢様高校の生徒たちなんですけど、彼女たちは
言葉遣いなどお嬢様感があんまりなく学校もなんか古い感じのキャンパスですが、
まあ痴漢多発電車で痴漢を捕まえようぜ!
みたいな青春ドラマの間違った方向にベクトル向いちゃう系の話です。
ちなみに「親殺し」という噂で知られる転入生の百合子は
(高校生なのに何故かフルネームだけで親殺しの犯人だとみんなに知られてる)
義理の父に襲われて抵抗したらテレビが落ちてきて勝手に義父が死んだ、
というサスペンス系偶然殺人あるあるなだけで本人はいい子でした。
いや、いい子というか、スカートのポケットに裸の状態のカミソリ持ってて
冒頭でいきなり痴漢をこれで切ってるけどね。やっぱりヤバいわ!

具体的には痴漢電車に乗って1人がわざと痴漢された後に
残り3人が登場して痴漢を電車の外に引っ張り出すのですが、
初回は痴漢が1万円くれたので見逃して
2人目は駅のトイレの前でフルボッコにするのだけど痴漢は無抵抗
そして他の乗客は痴漢が起きた時などガン見するけど特に何もしない、
というようなこの世界には彼女たちと痴漢しか存在しないような
なんだか不思議な状態です。
ちなみに痴漢の内の1人は痴漢で捕まった瞬間に平気で逆ギレしたり、
皆さんが全体的に堂々と生きてらっしゃる。
あと思いっきり胸を鷲掴みする痴漢もいたのですが、これって
痴漢じゃなくて強制わいせつレベルじゃね?と思ったり。

そんな帰り道に、ヤンキーグループに目を付けられるのが
後半に続いていく話です。

伝説の赤い本……!伝説じゃないけど。

主人公の1人の沙織は実は痴漢されるのが好き!!という事が判明。
赤い本を持って電車に乗っているので痴漢OK!
という風にどっかしらに広めたらしいので、
それでガンガン痴漢されるようになったらしいです。

よく見ると上の映画ポスター、沙織が若干色っぽい表情をしてますよね。
それと百合子の後ろにいる乗客の人達が、先ほど書いたように
痴漢の様子をガン見している。で、何もしない。

というわけで、沙織の性癖「痴漢LOVE」な事を汚らしいと思った百合子ら3人に罵倒され、
無人駅の柱に「痴女」という張り紙と一緒に縛られて放置される

なんかもう高校生の友情がよく分からなくなってきたぞ!

それが夕方前なんですけど、真っ暗になるまで沙織は縛られたまま。
えっ!それまで誰にも見つからなかったのかよ!!

と思ったら序盤に登場してから何度も、「あの女子を絶対にモノにしたい!」
やたら粘着質だったヤンキーキャラに見つかり、
助けられると共に、海外ドラマかよ!とツッコミたくなる
グレたヤンキーが基地にしてる廃墟ビルに連れていかれヤラれる。

そして沙織は、自分をふんじばった女子3人の復讐を
ヤンキーに頼む事になるのだった……。

この怒涛の展開でまだ30分くらいです(残り10分だが)

電車の接続部分の狭いところでやることやれるぜ!なんて国だ!

立て続けに女子C、Dが襲われ、しかも女子Cの方は帰る途中の電車の
途中の接続部分(アコーディオンみたいなところ)でヤンキーA、Bに
挟みうちにされ、その後色々ヤラれてからボロボロで放り出される。
女子Dの方は先程書いた廃墟ビルでヤラれてしまう。
もはやこれって日本じゃないんじゃないか?
日本だとすれば、80年代ヤンキー系映画(エロ多め)って感じだな……。

そういえばこのあたりで気付いたのですが、
ヤンキーとのエンカウント率が高すぎるんじゃね?

最初ヤンキーとエンカウントしたのは痴漢電車を降りたルートで、
だから縛られていた沙織がヤンキーに見つかるのは
痴漢電車の線の駅なので百歩譲ってあり得なくはないが、
みんなバラバラになってしまった終盤では、多分女子C、D共に
もう痴漢電車には乗らないと思うんですよね。だからルートも変わる。
のに、女子Cはアッサリ電車で見つかっているし、
まるでひとつの町内で起きているレベルでみんなすぐエンカウントするんだよね。
っていう疑問は持ってはダメだと分かっている。40分映画だから迅速にやらないと。

最後は思いっきり後味悪いぞ!

百合子もなんだかんだあってヤンキーたちの前で
同窓生の少年相手に無理矢理ヤラれてしまうハードコア展開。
そして残り5分でどうなるのかと思ったのですが、
この百合子、C、Dが受けた壮絶な仕打ちの理由を問いただしたところ、
全ては沙織の依頼だったのだ……!!!ということがヤンキーの口から語られます。

ここが勝手ながらもったいないと思ったところで、
観ている側は沙織が依頼するシーンも観ているから知っているんだけど、
その依頼シーンがカットされたら、百合子の衝撃を受ける様子もあわせて
インパクトのあるシーンになったのになとか色々思ったりしました。

そんで、百合子はヤンキーを一人突然首を切って殺害し、
その後どうやって探し当てたのか分かりませんが
下記の画像のような線路沿いの跡地のようなところで
しばらく行方不明だった沙織とエンカウント!

ゲーム『ライフイズストレンジ』より。
本当に、全ての人にやって欲しいくらい素晴らしいゲームだった……。

電撃オンラインより

ラストは百合子が電車に突っ込んで自殺。
沙織も、反対車線に足を踏み出して、そこで作品が終わるので生死不明。

なっ、なんて突然すぎるぶっこんだ衝撃のラストなんだ!

まとめ

少し前まではお嬢様高校で品行方正に過ごした3人の女子高生と、
父殺しと言われて来た1人の女子高生の、正義感ゆえの行動か、
はたまたちょっとした刺激が欲しかったか、そこから始まった痴漢狩り。
その結果として、予想外の展開により全員が最悪の結末を迎えてしまう話。

あまりに現実離れした舞台と展開とキャラの行動に違和感は覚えるものの、
その始まり、出会いの部分から急速に堕ちていった最後まで、
余すところなく40分で表現出来てしまった事はやはりすごい。

主要キャラの女性達の演技が終盤に向けてどんどん鬼気迫ってきて、
そういうところもまた観る側を引き込む要因なんだと思いました。

3人と1人が仲良くなる瞬間以外に全くといってくらい救いがない話で、
作り手側としてはしめしめな「嫌な後味」が残りまくりの映画でした!

 

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