映画【ミスミソウ】残酷!痛い!がずっと続き、ラストは涙の実写版(ネタバレ感想)

投稿者: | 2020年4月26日

ミスミソウ


(C)押切蓮介/双葉社 (C)2017「ミスミソウ」製作委員会/映画.comより

公開年:2017年
制作国:日本
監督:内藤瑛亮
原作:押切蓮介
脚本:唯野未歩子
出演:山田杏奈、清水尋也、大谷凜香、大塚れな、他
レイティング:R15+

STORY
東京から田舎の中学校に転校してきた野咲春花は、学校で「部外者」扱いされ、陰惨ないじめを受けることに。
春花は唯一の味方であるクラスメイトの相場晄を心の支えに、
なんとか耐えていたが、いじめはエスカレートしていくばかり。
やがて事態は春花の家が激しい炎に包まれ、春花の家族が焼死するまでに発展。
春花の心はついに崩壊し、壮絶な復讐が開始される。

(映画.comより)

観てしまいましたよ……原作漫画も場面によっては薄目で読んだくらい
あまりにもしんどいイジメAndバイオレンス作品、ミスミソウ。

ちなみにいきなり話が逸れて申し訳ございませんが、
同じ押切先生の作品の『ハイスコアガール』は声優さんの最高レベルの演技のおかげで
大野のアネキ(赤﨑千夏さん)とハルオママ(新井里美さん)が特に最高、
でも大野もいいし……とにかくあの作品は本当に好きだ……。

結末含めてネタバレしています!

余分なものを原作同様少なくしている雪景色

主人公の野咲春花(山田杏奈)をはじめ、実写化にあたって
原作を読んでいる人も十分納得出来る雰囲気です。
押切先生の絵柄はかなり独特なのですが、
美少女の描写がすごく可愛くて、それを山田さんが見事に体現しています。


(C)押切蓮介/双葉社 (C)2017「ミスミソウ」製作委員会/映画.comより

雪で覆われた田舎町の設定なので、
基本的には家か学校、それ以外はほとんど雪の景色。
多分、全体の半分以上は雪景色。

そして、真っ白な背景に飛び散りまくる血、血。
そのスパッタリング具合が残酷さを際立たせていて、観る者を選ぶと思います。

復讐開始からの流れは非常にスピーディ

春花と恋仲になる相場晄(清水尋也)との甘いシーンは途中途中にありますが、
自宅が焼かれた後の春花の復讐への段階移行が非常に速く、
ちょっと日常シーンが訪れたかと思った次の瞬間には同級生が殺害されます。

一番の味方を演じるのがクセのある役の多い清水尋也さんっていう時点で
何か裏があるんじゃないかとすぐに疑う。僕の悪い癖。
清水さんとしてもレアな感じのストレートすぎる好青年キャラだし。

声優の石田彰さんが声を担当しているキャラはラスボスの可能性が高まるのと同じ法則。

そしたら、やっぱり最終ボスなんですけどね。


(C)押切蓮介/双葉社 (C)2017「ミスミソウ」製作委員会/映画.comより

とにかくまさしくR15+というか、目を貫いて殺害シーンとかも複数あるし、
イジメ描写も定期的にあるし、最後までずっと気が抜けないキツさです。

原作がオリジナルだと漫画3冊だったのですが、説明不足などもほぼなく
ラストまできっちり2時間で描写されているように感じられます。

春花同様、激強キャラが敵側にもいますが、
春花を殺そうとした事で春花の味方だった晄にアッサリ殺され、なんとか生還!

と思ったら実は晄も精神的にやばい、放火現場を撮りまくって人命を後回しにしていた、
という事が分かり春花によって殺される最後のキャラになりますが、
このあたりは春花に全てバレてから死ぬまで駆け足気味だったけど、その前から何シーンか
晄が裏では暴力男であるシーンが複数あったので、
彼の正体は観る側はある程度予測出来ていた展開なので特に引っ張りすぎなくていい。
逆に、短い時間で春花が復讐を果たしたという事は、
「心許した相手だけど、復讐の相手でもあるなら躊躇しない」という決意が
その短さで表現されたんじゃないかな、と感じた次第です。

証拠残しまくりだけど、完全犯罪

中盤から、同級生殺しまくっても普通に家に帰って何気なく過ごす春花と、
(返り血と傷でグチャグチャでも祖父は特に問い詰めない)
中学生が何人も突然行方不明になっているのにたいして探さない警察
生徒が何人も突然行方不明になっているのにたいして気にしない学校
田舎町とはいえ100%野外で出血を伴う殺害をしているのに
誰一人目撃者がいないし遺体も全然発見されない不思議、

とかはあるのですが(突然のツッコミで申し訳ありません)
原作の時からなんですけど、多分それって春花が家族を焼き殺された恨みを、
その感情が頂点でいる今すぐに復讐してやる!という想いを
大ごとにならない(復讐の邪魔をする者がいない)という大胆な舞台装置で、
押切先生は描いたのだろうなーと思いながら観ていました。

基本的に殺人に関する話は証拠隠しや逃げたりなんだり、っていう作業が付いて回りますが
この作品では春花はそもそも隠れたり逃げる気がゼロなもので、
だからこそ多少不自然でもそう描写したのだと思えてならない。
なんていうのかな、作中だと何日も経過しているけど春花の中では
数時間レベルで鬼気迫る復讐を続けているという感じなのかと。

数少ない映画オリジナルの一番大きな部分

もう一人の主役ともいえる、タエちゃんこと小黒 妙子(大谷 凜香)。


(C)押切蓮介/双葉社 (C)2017「ミスミソウ」製作委員会/映画.comより

結構難しい立ち位置なんですよね。
元々春花と仲が良かったけれど、春花と晄がいい感じなのを見て
それでイジメをスタートさせる、けれどその後の暴走にはほぼ付き合わず、
まあ結果として彼女の一言二言を過剰に受け取ったクラスメートによって
春花の家は燃やされてしまうので元凶っちゃ元凶です。

連続殺人のさなか、春花と分かり合ったがその直後、
サイコになりすぎてバトル・ロワイアルでもこんなキャラいたなー
的になってしまった流美(大塚 れな)という腹心の部下と殺し合いになる……

……のだけど!ここの血まみれ具合が一番心臓に悪い!!!

最終的にタエちゃんはめった刺しになって敗北しましたが、
原作では春花をかばって死んでしまうタエちゃんは、
映画版では実はこの関係者の中での唯一の生き残りになるんです。

個人的には、これは特にいいアレンジだったと感じます。
元々スクールカーストの行き過ぎた結果で起きた人間関係、
抑圧された家庭や、生徒を恐れる教師も原因の一つとなってしまい
こういう悲劇が起きた、という悲惨なストーリーではあるのですが
関係者がみな死んでしまったら、ただの犠牲として話が終わる気がしたので、
加害者にも被害者にもなったタエちゃんが生き残る事で、
その先の未来に少しでも希望があって欲しい、と思わせてくれます。

彼女がラストに春花と過ごした教室での風景を思い出したタイミングで
ピアノ独奏で流れる主題歌の『道程』もすごく心に突き刺さって、
(歌うタテタカコさんの伸びやかな声も、ピアノ独奏と歌のリアルな歌の力や
元気なピアノがどこか寂しさすら感じさせる選曲が映像と本当にマッチします!)
ラストシーンの数分でこの作品の全体の悲劇性をフラッシュバックするとともに
作り話なのに、とてつもなく胸を締め付けられる気がします。

まとめ:デスゲーム系映画とはやっぱり違う

中学生同士が殺し合いをする作品は数多く、
そこには残虐性や友情や、色々なものが詰め込まれていますが、
この作品はデスゲーム(ゲームじゃないけど)系などの作品に多い
過剰な残虐なシーンを頭一つ飛び越えたくらいに残酷です。

だけど、そこにあるのはずっと、絶望と怒りとわずかな穏やかな時間であって、
殺し合い系の映画を期待して観る人には向かないんじゃないかなと思います。
形があまりに過剰になっていますが、この作品はいじめに関する作品なんです。
他者を虐げ、虐げきったら次のターゲットを探し、そしてまた傷つける。
その結果誰かが死んでしまった時、もう取り返しがつかないと思う、
そんな歴史を人は繰り返している。それを一つの舞台に当てはめた作品なんです。
非常に重い作品でした、でも、目を背けながらも最後まで観れて良かった。
役者の皆さんは若いのにとてつもない辛い時間を疑似体験したと思いますが、
すごく考えさせられる事が多く、大きな経験になった作品だと思います。
主演の山田さんがその後、妹と仲良く過ごすほっこりな連ドラの主演をされた時は
彼女の笑顔になんだかすごく救われた気持ちになりました。

当時劇場で観る勇気はなかったけど、観るべきだったのかも、と感じました。
多分もう観る事はないけど、残酷だからではなくて、辛いから。
それでもきっとずっと心に残り続ける作品になると思います!!

 

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