映画【ロスト・エリア】英米文学的な牧歌的雰囲気もあるミステリー(ネタバレ感想)

投稿者: | 2020年2月13日

ロスト・エリア -真実と幻の出逢う森-


IMDbより

公開年:2015年
制作国:アメリカ
原題:The Driftless Area
監督:ザカリー・スルーザー
製作総指揮:ジェイソン・クローズ
スコット・パターソン、アラン・シンプソン
原作:トム・ドラリー
出演:アントン・イェルチン、ズーイー・デシャネル
ジョン・ホークス、アリア・ショウカット、他

STORY
両親を亡くした青年ピエールは、
ミュージシャンになる夢をあきらめて故郷に戻り、バーテンダーとして働きはじめる。
ある日、森を散歩中に誤って古井戸に転落してしまったピエールはそのまま一晩を過ごし、
翌日偶然通りかかった女性ステラに助けられる。
ミステリアスなステラと恋に落ちるピエールだったが、やがて麻薬組織が絡む事件に巻き込まれていく。

(映画.comより)

主演のアントンさん、この作品の公開翌年に
不幸な事故で27歳で亡くなった方です。
そんな背景も踏まえて、なんだか切なさを感じるような映画でした。

結末含めてネタバレしています!

自然溢れる背景の中での事件がテーマ

主人公のピエール(アントン・イェルチン)が
典型的チンピラのシェーン(ジョン・ホークス)の車に
ヒッチハイクで乗せてもらったら、ボッタクリされまくったために
降りた時に怒りで手元にあった石を投げたら見事車に命中。
倒れたシェーンの横にある大金を盗んでしまうところから話はスタート。
その時にピエールが持っていた苗木とか、手元の石とか、
ここからどんどん話が過去に戻っていくので、そこで補完されます。

にしても、現代の話ではあるものの、
ピエールや、ヒロインのステラ(ズーイー・デシャネル)の
人里離れた自然の多い場所に住んでいる雰囲気や
語り口も物語調な事もあって、
18世紀~19世紀のイギリス文学の湖水地方をイメージさせる、
自然派好きにはたまらないような静けさが広がる世界観です。

ちなみにピエールとステラの出会いは、
序盤に落とし穴に引っ掛かり井戸の中に落ちたピエールが
一晩出られず翌朝かなり弱っていたところを助けてもらい、
そのまま惹かれ合うという展開です。


IMDbより

金を盗んだ人、人を殺した人、逃げた人

時系列が入れ替わるので今がどこなのか、
その部分がかなり曖昧になっているのも作品のテイスト?
徐々に分かってくるのが、シェーンがある夜放火した家にいたのが
命からがら逃げだして老人の家に身を寄せているステラという事。
ただ、隠れているからなのか、シェーンはステラを殺してしまったと思い
金を盗んだピエールへの怒りだけでなく、罪悪感のようなものを抱えている感じ。
偶然出会ったピエールとステラがそのまま恋人のような関係になったので
このままシェーンと最悪な3人の再会になるのか!?

ステラはやはり…

そもそもシェーンが明確にステラを殺害した自覚がある、
という時点でもしかしてと思ったのですが、
やはりステラは放火によって亡くなっておりました…。

彼女はその後、死までの記憶を保持したまま実体を持ち、
ピエールと交流を始めたという展開でした。

終盤はシェーンに居場所がバレたピエールが
銃を持ってシェーン一味と殺し合いをする、
というハードな展開でした。


IMDbより

この対決の結末は、素人のピエールが何故か優勢でしたが
全員死亡……。

シェーンはかなりあくどい連中とツルんでいて、
金の為に放火を行い、既に犯罪を犯している。
ピエールも、何故だか盗んだ金を後生大事に持っていて、
そして知り尽くした地元のトラップなどうまく使い
殺し合いを有利に進めるという罪を犯している。

だから、双方が罰せられる事は結末として良いと思うのですが、
その罰の在り方が「突然の死」という表現に徹底されているところも
なんだか昔の文学作品のように感じられた次第です。

天国へ行くピエールと、彼が残したものに泣ける!

死んだ後、自然の多いところにいたピエールとステラが
再会するという恐らく死後の世界を思わせるシーンが美しく、
またピエール自身も死を予期していたからなのか
大切な友人たちへの贈り物の遺言が自宅から最後に出てくる、
その一連のシーンは本当に感動的でした。

ここまで通しで観てみると、ステラが既に故人だったという設定も含め、
見えているストーリーが完全に目に見える通りのものだったのだろうか?
という考察が生まれてくるのです。
ピエールは心優しく、色々なシーンで弱さも垣間見えており、
奪った金を手元に置いたままにしたり人を殺したり、
そんな事をするキャラクターに結びつかないのです。

だから、シェーンは何かのメタファーで、
ピエールの死を物理的に表現したとかなのかな…

序盤、ピエールが穴に落ちたシーン、あれがどうも頭に残っており
もしかするとあの事故で彼が死んでしまい、それこそステラのように
生きた姿でしばらく現世に留まった…とかなのかな。

とか、色々な事を考えてしまいました。


IMDbより

緊迫するシーンはあるものの、全体的にかなり静かで
自然を映すカットが多く本当に美しい作品でした。
上にも書きましたが、話の展開も含めてこの後亡くなったアントンさんの事を考えると
胸が締め付けられるような切なさを覚える作品でした!

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