映画【魍魎の匣】京極夏彦ミーツ江戸川乱歩な怪作。出演者が豪華すぎる!(ネタバレ感想)

投稿者: | 2019年12月16日

魍魎の匣


(C)2007「魍魎の匣」製作委員会/映画.comより

監督:原田眞人
原作:京極夏彦
脚本:原田眞人
出演:堤真一、阿部寛、椎名桔平
宮迫博之、田中麗奈、黒木瞳、他

STORY
戦後間もない1952年、東京。世間では謎の美少女連続殺害事件が発生し、
不幸をハコに閉じ込めるという怪しげな宗教団体が勢いを増していた。
それぞれの謎を追っていた探偵・榎木津や作家・関口、記者・敦子、木場刑事らは、
真相解明を求めて京極堂のもとに集う。

(映画.comより)

京極夏彦先生の作品を、これまた昭和中期の舞台の再現を含めて
素晴らしい2時間に仕上げてくれた実写化作品です。

ちなみに、メインキャストのうち数名が
同じ京極作品の『姑獲鳥の夏』と同じ役での出演なので、
両方観るとより楽しめるかと思います。
まさかの姑獲鳥の夏からの篠原涼子さんが数秒ゲスト出演するなど、
見逃しかねない豪華キャスティングです。

主に気になったトピック中心ですが、一部ネタバレしています!

バラバラ殺人事件と、時系列の複雑な入り乱れ

中禅寺役の堤真一さん


(C)2007「魍魎の匣」製作委員会/映画.comより


榎木津役の阿部寛さん


(C)2007「魍魎の匣」製作委員会/映画.comより

そして、関口巽役の椎名桔平さん。


(C)2007「魍魎の匣」製作委員会/映画.comより

このトリプル主役は強すぎるだろう……。
全員キャラのアクがかなり強いのですが、
阿部さんは僕の個人的な好きなドラマランキング1位の
『結婚できない男』シリーズの桑野信介にキャラが近い気がして、
つまりすごく好きだ!!!

このお三方がそれぞれ別々のきっかけで
バラバラ殺人事件や、名女優の娘の行方不明事件などに関わり、
それが最後に繋がっていく、というのが大筋の話です。

昭和中期の街並みの再現が圧巻で、
そして時系列が現在、何日か前、また現在、と入り乱れるので
どんどん自分が迷宮に迷い込んで画面に釘付けになる事確実です。

そしてなんといっても田中麗奈さん

中禅寺の妹である敦子役の田中麗奈さんがとにかくいい!!


(C)2007「魍魎の匣」製作委員会/映画.comより

主人公グループと共に謎を追う記者の役なのですが、
明るくコミカルな雰囲気のおかげで、
全体的に暗さのあるストーリーに華を添えています。
個人的に特に魅力的だったところをいくつか…。


(C)2007「魍魎の匣」製作委員会/映画.comより

・VS宗教団体全般

財産に悪霊が憑りついているという宗教団体への潜入時、
向こうのパフォーマンスに負けない全力の不幸女性の演技。
そして、その後その祈りのパフォーマンスみたいなのを記憶して再現するが、
それがとてつもなくチャーミングです。観て頂きたい。

・キスはいらない

終盤、敵の本拠地で一度トランス状態になってしまいます。
ヘロヘロ状態になったので、榎木津が
「うーん、気付けのキスでもして戻してやれ」
と堀部圭亮さん演じる刑事に頼みます。
「あ、はい、では」と実直に迫ろうとする彼に、
「えへへーー。いやいや、大丈夫ですからーーーー。
いや本当にーーーへへへー大丈夫ですからーーーー。
大丈夫だから!!!!!!

世の中の女性達は、酒に酔ってもこの毅然さを見習ってほしい。

・とにかく全体

なんだかんだいっても、抜粋しても伝わりきらないその魅力。
演技力の高さとこの時代にフィットしたキャラ感が
見事に満点のキャラを生み出しました。
主役3名のキャラクターもめちゃくちゃ強烈なのに、
そこで埋もれる事のない存在感でした!!!


(C)2007「魍魎の匣」製作委員会/映画.comより

あ、ラストの堤さんのコミカルシーンも注目です

敵の本拠地、研究所が最後に崩れ落ちるところで、
それまでキリッ!!としていた堤真一様のいた足場が崩れ、
上にあったチェーンに掴まります。

ちなみにこのシリアスなシーンの直後

(C)2007「魍魎の匣」製作委員会/映画.comより

堤さん「うああああああああああ」
※すぐ後ろの足場につま先がついている中で、
チェーンがクルクル回ったりして若干酔い始めている感じ
椎名さん「がんばれ!!がんばれ!!!」

別の真面目なシーン(宮迫さんの迫真の演技等々)

堤さん「あああぁぁぁぁぁ」
※ちょっと踏ん張れば立てるのにまだクルクル回ってる
椎名さん「君ならやれるぞ!!!がんばれ!!!」

クルクル。

堤さん「ああああああああ。

だめだぁぁぁぁああああああああ」


画面がブラックアウト

えっ!!???

数か月後…。

えっ!!??!??!??!?

まさかあのまま死……だと思ったら普通に日常シーンにいた。

そりゃそうだよね!
この堤さんの演技と唐突な場面終了っていうのが面白かったです。
だって、後半のメインだった研究所のシーンが、
堤さんの「だめだぁぁぁ」で終了するっていうあたりが!!

死に瀕した少女の最後の力に胸が痛む

谷村美月さんといえば、特に悲劇的な役割の多い方と言われてますが、
うん、ストロベリーナイトでの役柄はキツかったな…。

今作では、黒木瞳さん演じる元女優の行方不明になった娘の友達、
というキャラクターを演じられています。


(C)2007「魍魎の匣」製作委員会/映画.comより

途中で拉致され、彼女もまたバラバラ殺人の被害者になってしまいます。
榎木津が血で滑り、切り取られた手足を見つけ、
そして、箱を開けた時に両手足を切り取られた血まみれの彼女がゴロン、
と床に倒れ込むシーンは息を飲んでしまいました…。
でも彼女はその時まだかろうじて生きていて、
その残酷な風景に江戸川乱歩の『芋虫』を彷彿とさせました…。

この後、宮藤官九郎さん演じるサイコな敵に榎木津が襲われるのですが、
彼女が最後の力を振り絞って助けに入り、最期は榎木津に頭を撫でられ
静かに死んでいく、若い少女にとってあまりに残酷すぎる運命でしたが、
光に包まれ静かに目を閉じていく映像は、
榎木津の包み込む優しさもあって、どこか美しさすら感じさせました。
残酷な瞬間にふとした美しさが見え隠れするのも、
どことなく乱歩みたいな感じだなと思いました。

まとめ

バラバラにされた人たちから1人の人間を生み出す、
というこれまた乱歩の世界っぽいSFのような終盤、
様々な人物の群像劇的な時間が交錯していくストーリー、
とにかく飽きさせない2時間の大作でした。

京極作品はかなり複雑なイメージがあったので、
この作品も全体を追いかけるのがかなり難しかったのですが
映像で観る事で視覚的に分かるものも多く、
とにかく真面目に作られた作品だと強く感じました。

この作品を観て以来、田中麗奈さんの事ばかり考える、
そんな結婚できない男、ケント・ビターでした!!

 

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