映画【ナイトクローラー】情報操作の怖さ、成り上がる為の暴走、色々恐ろしい!(ネタバレ感想)

投稿者: | 2019年11月1日

ナイトクローラー


(C)2013 BOLD FILMS PRODUCITONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED./映画.comより

公開年:2014年
製作国:アメリカ
原題:Nightcrawler
監督:ダン・ギルロイ
製作:ジェニファー・フォックス、トニー・ギルロイ
ミシェル・リトバク、ジェイク・ギレンホール、デビッド・ランカスター
製作総指揮:ゲイリー・マイケル・ウォルターズ
ベッツィー・ダンバリー
出演:ジェイク・ギレンホール、レネ・ルッソ
リズ・アーメッド、ビル・パクストン、他
レイティング:G

STORY
まともな仕事にありつけず軽犯罪で日銭を稼ぐ男ルイスは、
偶然通りかかった事故現場で報道スクープ専門の映像パパラッチの存在を知り、
自分もやってみようと思い立つ。
早速ビデオカメラを手に入れたルイスは、
警察無線を傍受して事件や事故の現場に猛スピードで駆けつけ、悲惨な映像を次々と撮影していく。
過激な映像で高額な報酬を得るようになったルイスは、
さらなるスクープ映像を求めて行動をエスカレートさせていき、ついに一線を越えてしまう。
(映画.comより)

いやー、重かった!観ていてずっと気分が暗くなる!
フォーカスしている時間が夜中心だからかもしれないけど。

でも、これって実話じゃないよね?と心配になるくらい、
リアルなサイコストーリーでした。

結末含めてネタバレしています!

ある意味ベンチャーの起業ムービー

主人公の通称ルーは、働き口もなく金がなく困り、
おお事故現場のパパラッチ映像を売り込むという手段があるか!
という事で、部下を超格安の給与で雇ったりと早速ブラックな面も出しつつ
仕事をどんどん積極的に取りにいく話になります。

途中、おぞましい程のスクープ映像を売りに出した際には、
テレビ局の責任者に(すみません映像制作会社かもしれないですが…)
対して「ちゃんと社員に俺の事を紹介しろ」とか、
「映像流す時にうちの会社の名前をちゃんと流せ」と指示するなど
ベンチャー企業を作った男が成り上がっていく為の営業努力…
と、ビジネスパーソンにとっては見習いたい雰囲気もまたあります。
まあやたら上から目線で、紹介しろよ?君の事も抱かせろよ?
的な感じだから営業の人々は決してマネしちゃ駄目ですけど。

こういう映像にした方が売れる、をどんどんやってしまう

その後、ルーはどうしてもいいクオリティの映像を撮る為、
殺人事件の現場に行くと、現場近くの冷蔵庫に被害者の家族写真を並べ、
素敵な家族に訪れた悲劇、という雰囲気の映像を作ってしまう。

うまい具合の映像制作が進んでいくと、
ライバルクルーが瀕死のところも撮ったり、
いわゆる『映え』を意識するあまりに
事故現場で亡くなった人の遺体を勝手に動かして撮影したり、
もうかなり暴走していて、それをフラットな顔でやらかすルーに恐怖。


(C)2013 BOLD FILMS PRODUCITONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED./映画.comより

そしてそっから最悪な夜になってしまう…………!

のですが、ここまでの時点で結構きついっす!
パパラッチってこういうのを言うんだよな…と考えてしまい、
マスコミの闇の部分が垣間見えてしまった感じで…。

でも、テレビ局との値段交渉だったり、
そこらへんのシーンの描き方が丁寧なのは良かった!

もはや狂気!ギレンホールの振り切れたラストまでの演技!!

殺人事件発生現場に警察より先に駆け付けて
その惨状を思う存分撮影して高値で映像を売りつけただけでなく、
犯人に繋がる証拠を持っていながら警察にも黙って追加調査!

カメラを持つ手は固定しろ……!!!と心がけるルー。
独学っぽいのに技術をしっかり習得している感じ。

(C)2013 BOLD FILMS PRODUCITONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED./映画.comより

途中、部下が賃金アップを訴えかけてきたついでに
鬱憤晴らしでルーの心の冷たさを非難。
ルーは「んー、君の身体を傷つけたくないんだけどなぁ」
と脅すような発言をして、空気が…怖い…!!
まあちなみにこの2人については実はずっと重いんだけどね。
ルーは彼を見下し、彼もルーの過激なスタイルを嫌がっていたので。

さて、追跡の後、犯人と思われる2人がレストランに入ってきたので、
そのタイミングでルーは警察にTELして、
「犯人いっぞ!しかも銃持ってるっぽい!ヤバい!!」と言って電話を切る。
ん?警察に通報しちゃっていいのか?と思ったら……。

その後、警察が突入。他の客を巻き込んだ銃撃戦をバッチリ撮影!
そう、銃撃戦撮影がルーの目的という……恐ろしい。
そのまま車で犯人と警察のカーチェイスを追いかけた末、
逆らった部下を騙して犯人に近づけさせて撃たせる。

そしてその一部始終を撮った映像でルーはまた偉くなる…!

つまり、

ネタを追いかける

現場の証拠品を勝手に動かす

遺体を勝手に動かす

事件を自ら作りあげる

という具合にどんどんエスカレートさせたわけです。
挙句、自分に逆らったので部下を死なせるように仕向けたりと。

このルーは交渉術もどんどん上手くなっていって、
最終的にテレビ局の中にも馴染んでいっている様子で
その上責任者には毎回自分の言い値で映像を買い取らせる、
という関係性まで作り上げるまでいっており、
自分のペースに周りを巻き込むのがうまいって事なのかな…。

現代の問題点のひとつ、印象操作

ルーに感化されたテレビ局の人々は、
数々の事件は自分達の描いた筋書き通りの結末であるべきだ!!
と思うようになり、ラストで事件の新事実が出ても取り上げる事を却下、
これまで報道していたシナリオを突き通す事に。

ラストの事件で高級住宅街で夫婦と家政婦が殺された事を、
実は彼らが麻薬絡みの人々だった事を完全に伏せ、
善良なお金持ちが襲われた悲劇!!で押し通したのです。

現実でも、某有名ポータルサイトでも毎日のように、
あえて世間一般に嫌われている有名人のSNSの記事を拾い、
あえて凄まじい賞賛のコメントを記事内に盛り込む事によって
釣りやすい一部の承認欲求が強い、前ならえ的な人々を集め、
多くのヘイトコメントを連日ガッポリ稼いでいるわけです。
勝手に取り上げられる有名人からしたら大変困った事なわけです。

それらも結局、報道する側の手のひらでユーザーが転がされているわけで、
そういう情報操作が世の中で当たり前のように行われていて、
あっちこっちですぐにヘイト、手のひら返し、
そんな世の中に辟易しているケント・ビターです。

ルーが中盤で被害者の家族写真を泣ける配置にしたのも、
やっぱり情報操作なわけで、そんな簡単に情報操作が出来てしまうんです。
そんな報道の怖さを知ってしまいました…。

まとめ

というわけで、さすがの作品でした。
観終わってだいぶ経ってもずっと心にモヤモヤが残り続けて、
もう観たくない!と思うのにふともう一回観直してしまいたくなる、
事故・殺人現場以外にショッキングなシーンは全くないのに
凄まじくショッキングな映像を観させられた気分になる作品でした。

ギレンホールがとっても嫌な奴だ!!と何度も思ってしまったのは、
彼がそれだけ素晴らしい役者だからでしょう…。
カメラを持って走りまくるギレンホール。
監視カメラのズーム具合を読むギレンホール。
淡々と証拠を捏造するギレンホール。
目の前で死んだ部下に手を近づけ、目を閉じてあげるのかと思ったら
カメラを奪っただけというギレンホール。
全部怖かったな…………。

 

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