映画【ザ・サークル】アタックNo.1の「努の死」を思い出す(ネタバレ感想)

投稿者: | 2019年9月12日

ザ・サークル


(C)2017 IN Splitter, L.P. All Rights Reserved./映画.comより

公開年:2017年
製作国:アメリカ
原題:The Circle

監督:ジェームズ・ポンソルト
原作:デイブ・エガーズ
製作:ゲイリー・ゴーツマン
アンソニー・ブレグマン、ジェームズ・ポンソルト
製作総指揮:ステファニー・アズピアズー
ロン・シュミット、サリー・ウィルコックス
スティーブ・シェアシアン、エバン・ヘイズ
ピーター・クロン、マーク・シュミューガー
フェデリカ・セント=ローズ、ラッセル・レビン
出演:エマ・ワトソン、トム・ハンクス
ジョン・ボイエガ、カレン・ギラン、他
レイティング:G

STORY
ユーザーのあらゆるデータを蓄積し、
世界ナンバーワンのシェアを誇る超巨大SNS企業「サークル」。
憧れの「サークル」に採用された新入社員のメイは、
あることがきっかけでカリスマ経営者のベイリーの目に留まり、
新サービス「シーチェンジ」のモデルケースに大抜擢される。
「サークル」が開発した超小型カメラによって、自身の24時間を公開することとなったメイは、
あっという間に1000万人を超えるフォロワーを集め、アイドル的な人気を博していくが……。
(映画.comより)

先に言っておくと、上記ポスターにある
「いいね!のために生きている」話ではないです。
(あらすじ読めば大体分かるとは思うけど…)
まあ、完全に外れってわけではないけど…。

ジャケット見た時は、いいね欲しさに色々危険な事やっちゃうよー!
みたいな、『NERVE』に近い感じかと思ったのですが、
いやはやもっと規模がデカイ作品でした。
まあ、警鐘の部分ではかなり近しい感じではありました!

結末含めネタバレしています!!
あとタイトルの時点で触れていますが若干アタックNo.1のネタバレにも触れてます。

また、僕はいいねは欲しくないけど皆様に読んで頂けるのがすごく嬉しいです!

急に偉ぶるエマ・ワトソンさんがいい具合に憎らしい

ハーマイオニー以降もすごく順調にキャリアを重ねる
エマ・ワトソンさん演じる主人公のメイの気持ち、よく分かるんです。
くすんだ色の人の少ないオフィスで勘違いクレームみたいなのに対応する冒頭。
そこから友人のアニーの紹介で彼女が務める超一流企業に転職出来た喜び。

ただ、そっからのメイが調子づきまくっていて、
両親が恋人にと推す地元の幼馴染マーサーに対してかなり辛辣。
工芸家の彼をアナログだと思っているのか自分をデジタル最先端だと過信するのか、
彼を平気で傷つけてしまうちょっとした高揚状態。

そこから、自分のやった犯罪行為(カヤック泥棒)をきっかけに
トイレの時間以外は自分の全てをリアルタイム配信する人員に選ばれ、
なんか急にスターのタレントみたいになり更に天狗状態。


(C)2017 IN Splitter, L.P. All Rights Reserved./映画.comより

ちなみにトイレの時間だけは配信ストップ出来ますが、
ストップ出来る時間が3分だけ。

……えっ。3分?

あと、「トイレの時間だけは…」としつこく言われてますが、
果たして風呂は?と思った俺は下世話だ悪いか!!

日本の体育会系な会社みたいで超嫌だ

そんな公開生活スタート前の話ですが、
就職して1週間の週末に実家に普通に帰ったところ、
週明けに「会社の色んなコミュニティに何故週末参加しなかったか」
と責められまくるシーンが。

「いや、実家で体調悪い父のサポートに……」
「他には?」
「カヤック乗ったりしてましたが……」
「俺もカヤック乗れるんだから一緒にやれたのに!!」
「ちなみにお父さんの病気は〇〇だよね?」

事細かに色々聞かれる上に色んな情報握られてる!!

日本でもありませんか?
会社のフットサルとかBBQへ参加しろみたいな、クソなお誘い。
あの、来てくれよなっ!!=来いよ、
みたいな圧力、嫌ですよねー。

妄信的な人の多いヤバい会社

IT業界を牽引する大会社に入ったメイですが、
You Tube的なもので大成功しているみたいなのですが
政治家を貶めたり、自分達に都合が良さそうな政治家を引き込み、
全ての人々の情報をオープンにしようぜ!!
という目標を元に動いているよくわかんない会社でした。

代表の1人を演じるトム・ハンクスさんの人を引き付けるキャラクターぶりも良い
めちゃくちゃ胡散臭いのに、なんか信用してしまう人心掌握ぶり!


(C)2017 IN Splitter, L.P. All Rights Reserved./映画.comより

デカすぎる社屋、やたら充実した設備や
まさかのBECKまで呼んで会社のパーティをするなど、

演奏曲は”Dreams”だっ!!シンガロング最高に気持ちいいであろう名曲!

(C)2017 IN Splitter, L.P. All Rights Reserved./映画.comより

とにかくやたらバブリーな会社。
なのに最初に社員全員集めてプレゼンの話をする時に
「すごい安い値段で売る高性能小型カメラを紹介するよー!」
と、まるで最近よくネットに出ている

ファイナルファンタジー7
ファイナルファンタジー7:Remakeの映像比較

みたいな感じで従来カメラとの比較をするとか、
画質とか端末の小ささとか価格の安さとか言ってるんで、
んーーーこの会社の規模の割になんか色々小さいな…

と思っていたのですが、社員が狂ったようにいちいち喜ぶ。
紹介してくれたアニーも秒刻みレベルで世界中に出張していて、
実際に仕事は何をやってるんだかよく分からない。

この中盤あたりが一番面白いかもしれない。
会社が何考えてるんだか分からないし、社員みんなヤバいし、
幼馴染のマーサーの作ったシカのモニュメント?
をSNSでメイがアップして彼が鹿殺しとして大炎上して、
「もうあれアップしないでくれよー!」と言いに来た時も、
「イエーイ!鹿殺しカモン!!」みたいな感じで
社員たちが一斉にマーサーを動画撮影しまくるとか。

この画像には写ってないけど、取り囲むようにみんな動画撮ってる

(C)2017 IN Splitter, L.P. All Rights Reserved./映画.comより

とにかく、社員全員が洗脳されたんじゃないかくらい狂ってる。
ドラマでいうとTRICKの村人たちみたいな感じ。

24時間公開生活の代償

最初は娘を誇りに思う両親も、娘の公開生活に付き合っていたら
まさかの夜の営みまで配信されてしまい目が覚める。

メイももし恋人がいたらそんなAVみたいな感じになっちゃうわけで、
さすがに24時間公開はおかしいでしょと思うのが普通なのですが、
ここでジャケの「いいねの為に」の要素として、
フォロワー(動画見る人)が増える事にメイは快感を覚えて、

「もう国民全員の個人情報を当社が全把握、っていうのを義務付けようぜ!」

と独裁的な考えをアップ。
ここまで来ると、エマ・ワトソンの笑顔がおぞましく見える。

努の死(アタックNo.1より)のハリウッドリメイク?

メイのアイデアから、
「世界の人々を探せるようなシステム」が発動。

平たく言うと、
「この人探そうぜ!」と呼びかけたらそれを見てるみんなが情報を寄せる。

単なる人類全員がネット特定班になろうぜ!
という極悪なやつ。

一発目は脱走犯を捕まえる事に成功しますが、
次に選ばれたのは、メイは反対したものの
メイにSNSで作品を公開されて以降、
動物殺しと世界に罵られる幼馴染のマーサー。
殺人予告までされた為、生活を捨てて隠れ住んでいるそう。

それを人々が探し始めるのですが、家をノックして、
「マーサー!いるんだろ!」と捕まえようとして、
バンで逃げるマーサーと、追う車とバイクとドローン!

結局ドローンが邪魔したせいでハンドルを切ってしまい
マーサーはブリッジから転落、死亡。

原因とか色々違うけど、アタックNo.1のアニメ版で
「努の死」
といきなりタイトルでネタバレされたあの再放送を思い出す。
努も山道でバンから転落して死んだし、こずえとの関係もなんか似てる。

それが言いたかっただけだ!!!

ちょっとカタルシスには足りない

このマーサーの死で人々はだいぶクールダウンしたものの、
サークルの経営者側はこれを次のステップだ!と考え、
車の情報も管理してマーサーみたいな事故を起こさないぜ、
という新企画を提案するなど野心どころじゃないレベル。

そこで、メイが選んだ方法は、

「24時間オープンなのを提案する以上はボスがやらないとね!

という事で経営陣のお二人の過去のプライベートなやり取りを含め、
全部皆さんの端末に送信しておきました(てへぺろ)」

という復讐。

復讐、というのかな。まあ合ってる考えではあるけど、
でもメイも色々な提案をしちゃったし、
結局マリオネットみたいな存在だったわけだけど
NOを言えないくらい陶酔していたのは事実で。

同意前に過去のやり取りを全部公開とかはやりすぎかなとも思う。

この復讐を行った当日、
「このシステムを変えなきゃいけないから」と両親に、
まるで今生の別れみたいな感じでしばらく見つめ合うのですが、
なるほど!このシステムに抵抗する為にメイが何かの犠牲になって
死んだりして、衝撃映像!!これはもうダメだ!!となるのか?

と思ったので全然違ったので相変わらず自分の読みの弱さが目立つ。

ラストはBAD ENDなのかも

経営陣の個人情報を勝手にオープンにした後、
カヤックを楽しむメイの元に数台のドローン。

そこに笑顔で語りかけた様子から画面が引きになり、
色々な人の映像が映るというENDでした。

つまり、結局プライバシーは全て無くなってしまい、
アメリカが全てオープンになったという感じでしょうか…。

いや、ラスト本当にモヤモヤしますわ!!!

あと、メイに仕事を紹介した友人のアニーは
当初はスーツでピッチリとしたエリートな感じでしたが、
(ちなみにサークル社内では当時トップ10に入るエリートだった)

最初の頃は逆に左のメイが学生みたいなTシャツ姿なのが逆転する

(C)2017 IN Splitter, L.P. All Rights Reserved./映画.comより

メイの24時間公開生活にも疑問を持つ数少ない人物で、
中盤から顔がやたら疲れた感じになり、
最終的には服装がパーカーで会議に出るようになり、
結局薬を飲んで無理矢理働き続けたせいか身体を壊し、
会社を辞めて自然の多い場所に移り住む最後でした。


(C)2017 IN Splitter, L.P. All Rights Reserved./映画.comより

その外見や考え方の変化も含めて、
演じたカレンさんがすごい素敵なキャラでした。

まとめ

情報で人々を管理していく便利さに妄信的になる社員たち、
のっかるSNSの人々。その便利さが進めば進むほど
人がどんどん窮屈になっていく、という部分を
メイや社員たちのテンションのブチ上がり具合から
「不快だ」と思わせた作り手の勝利だと思いました。

だけど怖いのは、この特定班(いやむしろ特定犯)
の人々の行動力、これは実際に起きていますからね。
正義という名の行動でも、自己満足でもなんでもいいけど
それが役に立った事ってあんまりないじゃないですか。
単に悪い事した奴の個人情報が晒されるっていう部分と、
あとはもう勘違いで無関係の人が責められるばかり。
ネットリンチの恐ろしさを日々体感しています。

便利なのはいい事なんだけどね。
そういう色々を考えさせられました。
是非この特定班シーンは観て頂きたい!!

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カテゴリー: SF

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