映画【関ヶ原】石田三成という人物の実直さに胸打たれました(ネタバレ感想)

投稿者: | 2019年6月3日

関ヶ原


(C)2017 「関ヶ原」製作委員会/映画.comより

公開年:2017年
制作国:日本
監督:原田眞人

原作:司馬遼太郎
脚本:原田眞人
製作:市川南、佐野真之
出演:岡田准一、役所広司、
有村架純、平岳大、東出昌大、他
レイティング:G

STORY
幼くして豊臣秀吉に才能を認められ、取りたてられた石田三成は、
秀吉に忠誠を誓いながらも、正義ではなく利害で天下を治める
秀吉の姿勢に疑問も抱いていた。そんな三成の下には、
猛将として名高い島左近や伊賀の忍びの初芽らが仕えるようになるが、
秀吉の体調が思わしくないなか、天下取りの野望を抱く徳川家康は、
言葉巧みに武将たちを自陣に引き込んでいった。そして1598年8月、秀吉が逝去。
1600年9月15日、毛利輝元を総大将に立てた三成の西軍と、
家康率いる東軍が関ヶ原で天下分け目の決戦に挑むこととなる。
(映画.comより)

歴史物に最近興味があるけどそもそも成績の悪かったケント・ビターです。
そんな自分にはハードルが高い、本当に時代考証などから事細かく表現し、
「一部聞き取りづらいセリフがあります」と注意書きされるくらい
難しい言葉遣いの数々を役者の皆さんがしっかりと演じられている、
まさしく石田三成という人物を知る上で最高の教科書となる映画でした。

歴史の話なのでネタバレも何もないかもしれませんが、
結末まで触れていますのでご注意ください!!

石田三成という人物

最近テレビで、以前は裏切り者とかのレッテルを貼られ
悪者扱いをされ気味だった三成の評判が変わりつつあり、
忠義を重んじる人物だったと見直されてきているそうです。

イギリスで言うリチャード三世も、史上稀に見る暴君として知られており、
僕が観てきたリチャードの映画はどれも極悪人っぽく表現されてましたが、
この人物も識者によっては全く違う評価をされて見直されているようです。
(だが僕は彼が悪党という前提のメタル曲を今年出すCDの曲に入れるので
そんな流れに逆らっておる……どこかでもし聴かれたら察してください!)

話を戻すと、そんな三成を演じたのはV6の岡田准一さん。
大河ドラマの主演を経験があるので全く不安はありませんでしたが、
光成の人間性、懐の深さ、それを澄んだ目で演じられていて、
本当に作品の中に入り込んでしまう、素晴らしい演技でした。

脇を固めるキャラも凄まじい

敵キャラに当たる徳川家康を演じるのは役所広司さん。
時代劇といえばこの方の重厚なキャラクターですが、
見事に狸将軍の迫力を見せてもらいました。
やっぱりすごい…。

豊臣秀吉は滝藤賢一さんが演じられており、
「だぎゃあ」という語尾の好色家ぶりがすごく、
老衰?で死ぬまでの全部が、
「これが秀吉なんだな」と思わせてくれる名演技でした。

そして、史実にはいないオリジナルキャラとして、
密偵のプロ、初芽を有村架純さんが演じてます。


(C)2017 「関ヶ原」製作委員会/映画.comより

石田三成との心の通わせ方がすごく良かった!!
少女っぽさも残しつつ、三成の為に暗躍する魅力的なキャラでした。
途中、「必ず無事に戻ってこい」的な三成のセリフと、
更に告白までされてしまった後に遠出する、というような
あからさますぎる死亡フラグを打ち立てて襲われますが、
どうにかこうにか抜け出し、そのまま三成とは終盤まで会えずじまいで、
ラストの処刑のシーンで再会し、三成のポリシーである
「大一大万大吉」
(1人が万人の為に、万人が1人の為に尽くせば皆が幸せになれる)
という言葉を伝えるところは感涙必至です。

丁寧に描かれた舞台、世界観

約2時間30分でしっかり丁寧に描かれた作品です。
説明不足もなく、脇道に逸れすぎる事もなく、
しっかりと話の中心がラストまで向かっていきます。


(C)2017 「関ヶ原」製作委員会/映画.comより

この作品では徳川家康側が狡猾な敵キャラに位置していますが、
周りにいるキャラクターなども丁寧に描写されているので
観る側が「どの考え方が正しいのか、もしくは良しとされるのか」
は、それぞれ考えられる余地があるくらい、
片方にだけ肩入れをする事なくしっかりと内情が分かります。

後半は大迫力の合戦シーン

タイトルが『関ヶ原』なので、当然、関ケ原の合戦がラストにあります。
2時間後、5時間後、のように時系列でシーンをいくつも重ねているので
後半になるにつれて全員の疲労具合や戦の無残さがどんどん増していき、
その悲劇性に息を飲む展開が続きます。

その中で、思惑通りに動かない仲間、犠牲になる仲間、
助けたい人達へ決死の想いで走り続けるところなど、
石田三成の人の良さゆえの苦悩が観ていて辛くなります。


(C)2017 「関ヶ原」製作委員会/映画.comより

東出昌大さんが演じる小早川秀秋の、
どちらに付くのか、苦しみ抜いた挙句、部下が指示を受けず
徳川に味方する事になる終盤もまた、苦悩に満ちていました。


(C)2017 「関ヶ原」製作委員会/映画.comより

何故、自刃しなかったのか、への回答

最終的に敗戦し、知人に匿われた三成はその後、
追手が迫ってくるのを知ると、逃げたらその知人が殺されると思い、
その知人が罰を受けない為に捕まる道を選びます。

盟友の大谷刑部が敗戦を認め自刃(自殺)する中で、
逃げ続けた三成は、その後何故自刃せず生きていたのか?
と裏切ったとされる秀秋に問われた際に、

「少しでも長く生きて、無事かどうか知りたい人達がいる。
お主もそのうちの1人だ」

と縛られた状態で笑顔を見せる最後は圧巻です。
最期の最期まで、この人はブレずに生きたんだ、
思い切り心を打たれる瞬間でした。

そして、上にも書きましたが処刑場に運ばれる列の中で、
もう1人、安否をどうしても知りたかった初芽がその姿を見せ、
「大一大万大吉、大一大万大吉」
と2回囁いた事で、三成がまっすぐとその先を見つめて終わります。

初芽が史実にいないキャラではありますが、
最後に奇跡のように、会いたい人が無事で再会出来た、
という三成の願いが叶った事が本当の事だったらいいのに、
と強く願わざるを得ない瞬間でした。

まとめ

石田三成については色々なエピソードがあるそうですが、
この映画では岡田さんの目が本当にまっすぐで、
三成もこんなまっすぐ、人を見つめて、人と生きた、
素晴らしい人物だったのだろう、と感じました。
監督が、岡田さんが石田三成を演じられる年齢になるまで待った、
と発言されたそうですが、本当に岡田さんが演じて良かったと思いました。

それに、他のキャラクターにもしっかりスポットが当たっていて、
モブのような扱いの人はいない映画でした。
何より歴史をすごく丁寧に紡いでいる印象を受けて、
そこに各キャラクターの等身大の魅力が生きていました。

歴史には非常に疎いため分からない部分も多かったのですが、
それでもすごく引き込まれる作品でした。
演じられた皆さんの、タイムスリップしたかのような見事なセリフ回し、
そして丁寧に作り込まれたその世界。素晴らしかったです!!

歴史に疎いを言い訳にした薄いレビューで失礼しました!

 

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