【ノー・エスケープ 自由への国境】これを観たら国境は正規ルートで越えるしかないと思う (ネタバレ感想)

投稿者: | 2019年2月22日

ノー・エスケープ 自由への国境


(C)2016 STX Financing, LLC. All Rights Reserved.
(画像は映画.comより転載)

制作年:2015年
監督:Jonas Cuaron
出演:Gael Garcia Bernal, Jeffrey Dean Morgan
原題:Desierto
レイティング:PG12

(映画.comより)

STORY

と仲間がアメリカに密入国しようと灼熱(しゃくねつ)の砂漠を歩き続けていた。
摂氏50度の過酷な環境にも苦しめられる。水も武器も逃げ場もない絶望的な状況で、
(シネマトゥデイより転載)

ケント・ビターです。
本作についてもネタバレがガッツリですが、テーマが重く、ツッコミ感は少ないです。
宜しくお願いします!

なんと、The Walking Deadのニーガンとして知られる
あのジェフリー・ディーン・モーガン様が
凶悪な移民嫌いのサムという役名で、相棒の犬と共に密入国者を
スパイナーライフルで射殺しまくるという恐ろしい映画です。
ちなみに画像は本作でなく、TWDをシーズン7までご覧になった方なら
ほぼ全員が心に大きな傷を負ったと思われるニーガンの某シーンです。


(画像はFRONTROWより転載)
※リンク先にTWDシーズン7のネタバレあり、注意

トピック① 展開のスリリング具合
序盤~中盤まではサムの一方的な猛攻で、
恐らく会話の内容から察するに国境を超えてある程度の目的地にたどり着くまで
2日ほど砂漠を歩きっぱなしになる。しかも水とかもほとんどなく、武器は当然無し。

前半が完全に逃げるだけ…。
後半は持っている物や手に入れたアイテムを使って敵に挑む!
という展開はホラー映画によくあるシチュエーションの1つかもしれないのですが、
基本的に背景は砂漠、言葉少なに展開される90分、と考えると
エンタメというより、戦争映画の中で歴史の残虐な汚点の1つを切り取った
虐殺ノンフィクション映画、というような雰囲気をすごく感じました。

全体的にキャラの名前はほとんど出てこない。記号的にちょこちょこ出るくらい。
90分弱という内容の中で、序盤20分ほどでメキシコ人の半分以上が殺され
なんと中盤45分になるまでに主人公側が残り2名という絶望的状況に陥るため、
登場人物も一気に主人公側2人、敵1人+1匹、のたったそれだけの状態で進んでいく。

殺し合いゲーム的な映画ではよく律儀に自己紹介シーンがあるのに対して、
言葉を最小限にした展開が非常に素晴らしいと感じました。

その中で唯一ガッツリ名前が呼ばれるのは、犬のタッカーの他には
密入国をサポートするコーディネーターのロボ
主人公が足の遅い人たちに付いていた為に歩みが遅いのを知ると、
ロボは冷たく切り捨ててさっさと国境越えを目指します。

置いて行かれないように主人公はひたすらロボを呼ぶので、
序盤はセリフのほとんどがロボ!ロボ!なんですが、
まさかのロボは犠牲者1人目になります…。
つまり、そこから先は一切呼ばれない。

主人公モイセスたちは不幸中の幸いというか、
ロボの一団が一方的にやられているところを後ろから見ているので
最初はこのままやり過ごせるのかと思っていましたが、
敵の男の飼っているタッカーという犬がやたら有能で、
かなり距離がある彼らを嗅ぎ分けて主人に警告してきます。
本当に広大な、だけど砂漠なので見通しが良く、
バギーで追い回す足と、タッカーという追跡者の存在が怖い!

この残り2名になった時点で日が暮れてきたので、いったん休戦になります。
多分、ほぼ唯一のエンターテインメント要素はこの直前のシーンで、
モイセスが岩陰に隠れている時、離れ離れになっている自分の子供からもらった
「アイラブユー」と再生されるぬいぐるみが作動してしまうシーンですかね。
本来、かなりの距離の人間を追い詰める嗅覚と聴覚?を持つ犬のタッカーが
ここではなかなか決定打に欠ける感じになり、サムに言われて引き返すというところ。
ここだけ主人公補正っぽい感じでギリギリで助かる演出なので、
リアリティを感じさせる展開が続く本作ではそこだけ残念。

その休戦中、生き残った2人の会話でやっと人となりが分かります。
ちゃんと居住ビザを取ったのに、不運が重なり密入国しか選べなかった主人公、
故郷のメキシコが危険なので親に言われて嫌々密入国を決めた女性。
一方的に「密入国者」としてフィルタリングされていたそれぞれの事が分かる。
その次のシーンでは敵側のサムも、独り言のように「この地獄から抜け出したい」と呟く。
いつの間にか彼も何かがあって狂ってしまったのだろうか?と想像させるシーンが続きます。

トピック② 色々考えさせられるラスト
モイセスはサムと共に崖から落ち、結果サムだけが足を骨折し動けなくなります。
モイセスは「みんなを殺したな!」と言い、サムに銃を向ける形勢逆転の瞬間。
実際、サムの真横を至近距離で何発も撃ち、襲われる恐怖を感じさせた上で、
自分は殺さずにその場を後にします。
だけど、広大な砂漠で骨折してひとりぼっちのサムは当然この後死にます。

その後、終盤で大怪我をしたもう一人の女性のところに、
一度は見捨てたもののモイセスは戻ってきて、歩けない彼女を背負って国境へ歩き始めます。

だけど、そのシーンで女性が既にそこにあった水を飲みつくしてしまった事、
そして戻ってきたモイセスにもまともに反応出来ないくらい衰弱している事、
車もなくこの状態で果たして国境越えが出来るのだろうか…
という状況で話は終わります。
(国境越えに2日かかるとして、1日目の最初の方で襲われているので、
多分あと1日半くらい歩かないと辿り着けない)

観客にこの先を委ねる、という終わり方はよくありますけど、
この映画は終始現実的な、というか現実の残酷さを突きつける作品だったので、
しかも背景が砂漠という可能性を感じさせない状態が最初から最後まで続くので、
観る側もいい方の想像がしにくいまま終わるんです。

それこそがこの作品がエンタメでなくノンフィクションなんじゃないか、
と錯覚してしまう要素のひとつでもあるのかなと思いました。

観る人によっては楽しめるけれど、前述のように基本的には虐殺ムービーです。
描写はきつくありませんが、遠くからなすすべなく狙撃されるところなどしんどいので、
あまり全ての方にお勧め出来るものではありません。

ただ、政治とかそういうのはすごい疎い自分ですが、
国境の壁とか今話題になっている事が少しリアルに伝わってくる映画だと思います。

あとですね、ジェフリー様の笑顔に惚れているケント・ビターとしては、
このサムも、そしてニーガンも、どうしても嫌いになれないんです。
ノーマン・リーダスとペアのこの写真なんか最高です。


at Hollywood Forever on October 23, 2016 in Hollywood, California.
(画像は海外ドラマBOARDより転載)

本当にジェフリー様、舞台裏とかのお茶目なところが素敵です。
動画サイトでニコニコしているジェフリー様を見ているだけで穏やかになれます。ケントでした!

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