【クリーピー 偽りの隣人】洋画の隣の家のサイコスリラー感が邦画で表現されている (ネタバレ感想)

投稿者: | 2019年2月14日

クリーピー 偽りの隣人


(C)2016「クリーピー」製作委員会/映画.comより

公開:2016年
制作国:日本
監督:黒沢清
脚本:黒沢清、池田千尋
原作:前川裕『クリーピー』
出演:西島秀俊、竹内結子、川口春奈、東出昌大、香川照之

STORY
刑事から犯罪心理学者に転身した高倉(西島秀俊)はある日、
以前の同僚野上(東出昌大)から6年前の一家失踪事件の分析を頼まれる。
だが、たった一人の生存者である長女の早紀(川口春奈)の記憶の糸をたぐっても、
依然事件の真相は謎に包まれていた。
一方、高倉が妻(竹内結子)と一緒に転居した先の隣人は、どこか捉えどころがなく……。

(シネマトゥデイより)

ケント・ビターです!
ここ数回の映画の記事がツッコミしかない感じになっていてすみません!
今回も思い切りネタバレですのでご注意ください!!
あ、でもどちらかという「タイトルの時点で分かり切っている犯人」という部分よりも
スリラー要素を楽しんで頂きたい作品だと思うので、犯人が誰かとか
こういう展開があるよ程度のネタバレにしております。
ただ、私のこの文章で「観てみっか!」と孫悟空的なテンションになってもらえる自信はなし。

あ、原作といえば全然関係ないのですがこの映画を観るちょっと前に父から
『クリーピー』と続編の『クリーピースクリーチ』の原作本をもらいまして。
気付かず『スクリーチ』を先に読んじゃったんです。
主人公と妻以外は別キャラなのですが、やっぱちょっとモヤっちゃったよね。
つまり、『クリーピー』読み始めた時点で、どんだけピンチな状況になっても、
パラレルワールドじゃなければこの作品では死なない事が判明してるわけで。

映画と原作の違い
・主人公と犯人の住まいが、原作だと閑静な高級住宅街っぽいところで、
映画だと郊外っぽいっていうのかな。若干田舎に近そうな感じ。
・登場キャラの数が映画版は少ない。
全体的に主人公夫婦、隣の家の親子、基本はこの4人おさえていればOKな感じ!
原作では、大学で教える主人公を慕う女学生(うらやまC)や
その子につきまとっている(が実は…!)男子学生などたくさん出てきます。
・なので、そもそもの犯人とか色々な要素が全部違う。

あと、

・西島 秀俊さん(1971年生)演じる主人公と東出 昌大さん(1988年生)演じる刑事が、
原作では同窓生だったので、えっいくらなんでもその設定なの無理あるっしょー!!

映画.comより

と思ったら映画版は先輩後輩という映画版の設定に変わっていました。安心しました。

という事で、私としてはこれは映画版は別物と捉えていいのかな、と思います。
よくある中途半端に原作をなぞったのに途中からどんどん変わるのと違い、
メイン数人の設定だけもらって展開が全く違うので両方知っている人でも満足出来る内容でした!

ちなみに、原作はサスペンスで映画はスリラー、ホラーという感じです。推理要素は映画版にはないです。

家と小道具が洋画ホラーすぎる

犯人の普通の一軒家のはずの中が…普通じゃない。

終盤はとてもホラーで不気味な雰囲気になっている(潜入した人の心理状況を表しているのかもだけど)。
廊下が非常に暗くて怖いのですが、公式の写真がないので
まさしくこういう感じというゲーム『BIO HAZARD 7 Resident Evil』の廊下の写真を貼ります。


電撃オンラインより

イメージだけ伝われば…。伝わらないと思うけど。

更に進んでいくと、その先の部屋が
巨大なシェルターになっている。


映画.comより

デザイナーズマンションな感じの壁ですが、結構部屋は汚くて総合的にはオシャレじゃないです。
ここに、家を乗っ取られた女の子のお母さんが心神喪失っぽい感じで監禁されております。

キャッチコピーの「お父さんじゃありません」というのは、この人質のお母さんを殺されないために
必死に犯人の娘役を演じているからだとここでわかります。
お母さんに、無抵抗にさせる感じの薬を娘に打たせるという鬼畜ぶりですけど。
原作だとこのお母さんへの虐待具合がキツめですが、映画では描写されていなくて良かったです。

武器として、犯人は無抵抗薬(注射)をいっぱい持っている。
どっから手に入れたか不明なレベルの数で主人公の妻にまで注射。

極めつけは、

拳 銃

刑事を殺してゲットしたアイテムとして後半、結構重要なアイテムになります。
作中で犯人が「よーーし、頭だぁ!頭狙って撃てー!1発だぞ!音でっかいからな!」
とお茶目に娘に母親の銃殺を指示するシーンがありますが、
そういう事をしちゃうような犯人は、結局その拳銃で自ら身を滅ぼす。
そういう意味では原作小説の入り組んだ人物関係と比べると映画的な終わり方をしたなという印象。
裏稼業のキャラが出ないのに拳銃が存在する邦画って珍しいな、と思った瞬間。

人間ホイホイ

みんな自らこの危険な家に飛び込んでいき、そしていなくなってしまう。
隣の家が怪しいぞ!と、ドアが開いていたから潜入して罠にかかって死ぬ元後輩。
主人公から話を聞いて、やっぱあいつはそうだったか!と一人で潜入して罠にかかって死ぬ老刑事。

なんか、『SAW』でアジトを突き止めたから潜入してまんまとやられる刑事みたいな感じで、
とにかく一人の犯人をまともに倒せない展開が続く。

ぶっちゃけると、最後の3分くらいまではずーーーーーっと犯人のターンなので、
そこに耐えれ…ばカタルシスだって思うでしょ!?
そこまでスッキリと終わらない。

ケント・ビターはビターな考えを持っているので、
さんざん人を苦しめた犯人が一瞬でやられるというのは納得いかない!派なんです。
だからといって、最近よくある系の漫画で、ひどい目に遭った人の家族とかの依頼で、
同じくらいひどい目に遭わせて犯人を始末する系のやつも行き過ぎかと思う超面倒野郎です。

香川照之さんの超・怪キャラに注目

サイコパスとして「人の家にトラブルなどの口実でお邪魔させてもらい、住人を家ごと支配する」
という事に極めて長けている香川さん演じる西野(ただし実際の名前は不明)。

終盤のシーンにもありますが、なんか家の立地とかを見て篭絡する家族を判別するそうです。
そして、優位に立ち相手を無抵抗状態にするという、TWDのニーガン的なキャラです。
無抵抗であるはずの人物に歯向かわれたら超狼狽する一面もあるけど。

という事で、原作ではこの西野は中盤~終盤までは全然出てこない西野を
映画版ではずっと出ては消えてを繰り返し視聴者に存在を焼き付ける事で、
レンタルビデオ屋のキャッチコピーで、

あの隣人は…いったい何者…?

とか書かれていそうな洋画スリラーを邦画でやった!というテイストがすごく出ており、
映像の不気味さとか、俳優の演技力と演出と総合的に怖くてすごかったです。
あと、音楽を全体的に抑えていて、そこが安っぽい恐怖演出にならなくて良かったと思いました。
個人的には、その直前に観ていた『ソロモンの偽証』で役名を使ったデビューをした藤野涼子さんが
この名だたるメンツの中で「母を人質に取られて犯人と偽りの親子になった娘」という
難しい役どころを好演していたのは素晴らしかったです。

こんな稚拙な文でも「観てみっか!」となって頂けたらと。
長文、お読み頂きありがとうございました!

 

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